
About Me
武蔵野大学しあわせ研究所にて客員研究員をしております。
文化地理学的視座から親子のウェルビーイングについて「ディープタイムウォーク」の実践に着目して探求しています。
子どもを取り巻くメンタルヘルスの問題に地域で取り組む手法について、特に「絵画手法」に注目して探っています。

生まれ
生まれたのは、母の故郷、北海道の札幌市、「少年よ、大志を抱け」のクラーク像があるさっぽろ羊ヶ丘展望台の真横の病院でした。その後、父の仕事で、生後間もなく三重県津市、静岡県磐田市、浜松市へ移り住みますが、東京での生活が一番長いです。東京で育っているものの、やはり生まれた場所というのは私にとってとても特別に感じていますので、生まれは北海道というのは自己紹介で強調したい点です。
学部時代
子どもの見ている世界にふれるのが好きで、小学校の先生を目指して日本女子大学の教育学科を卒業いたしました。まだ西生田キャンパスがあったころ、毎日生田の森のやさしさに大切に抱かれて学部生活を過ごしました。井上ゼミは、他のゼミとはかなり異なる方針をとっておりました。先輩・後輩がペアとなる姉妹制度があったり、自分の内面にあるテーマを深く見つめ、自己実現とは何か、卒論執筆を通して、考えさせられるゼミでしたので、繭を破る瞬間が、多くの先輩・後輩に立ち現れるのを何度も目にしてきました。私は、災害学生ボランティアの心的外傷後成長について卒論で扱い、災害ボランティアを体験した学生の信念の変化を知ることは、自分の信念形成へとつながっていったと思います。
福島県での学生ボランティア経験
大学3年生になる直前の春休みに人生の転機が訪れます。日本財団学生ボランティアセンター(Gakuvo)(現 日本財団ボランティアセンター)主催の福島県いわき市への学生ボランティア派遣に参加。同世代の他大学の学生の多様な価値観との出会いや「インフラの復旧は終えられても、心の復興は決して起きない」という地元のご住職からの、強いメッセージ、それでも前を向いて進む人々に、むしろ勇気と元気をもらいました。福島県と東京での、人との距離感の違いに、大きなギャップと違和感を感じつつも、福島県のために何かしたいという気持ちが、その後、Gakuvo学生インターンの道を後押しました。福島県産米を東京の学生に味わってもらいたいという気持ちが、やがて都内での大規模イベントの開催・成功へとつながりました。インターンを終えてもなお、スピンオフイベントとして、東京都や愛知県のユネスコクラブで浪江産のお米をふるまう草の根活動を3,4年生と続けていくうちに、やはり「心の復興」というキーワードがどうしても忘れられずにおりました。
米国時代
その後、アメリカの大学でポジティブ心理学を学ぶ機会に恵まれます。他者の心の復興に貢献したいと思っていましたが、キリスト教コミュニティのリトリートに参加したときのこと。異国で母語ではない英語で、たどたどしくも、自身の過去の経験を語るうちに、心の復興を必要としていたのは、自分自身であったと気が付き、目に見えない何かと、あたたかな雰囲気や友人たちにそっと支えられながら、その後の自分の道を切り開くための精神的な土台が確立されていきました。
英国時代
富士山研究者であった父の背中を追うように、やがて人文地理学の権威であるロンドン大学ロイヤルホロウェイ校で学ぶこととなります。研究者を目指していたため博士課程も見据えて、研究修士号のある文化地理学コースへと進学します。人にフォーカスしすぎていたこれまでの学問的背景を振り返り、人のアイデンティティと環境の関係性から人を見つめ直そうと思っていました。修士研究では、福島県の子どもたちのふるさとへの愛着感(場所愛着)について、英国から日本に帰ったときには、実家に戻るよりも先に福島に入り、現地の方とのネットワークを構築してまいりました。
修士課程が終わってすぐ、世界教育ランキングで12年連続で教育部門第1位の、ユニバーシティカレッジロンドンの教育研究所の博士課程へと入学することが叶いました。地理教育コースに進み、3名の指導教官と2名の世界的に影響力のある教授のもと、研究計画を練り上げてきました。そこで注目していた理論的枠組みは、ケイパビリティ(潜在能力)アプローチです。
自分自身の「心の復興」を考えてきた中で、では、一般的に人間の可能性は、どのように最大化されるのかについてが自分の中のテーマでした。ケイパビリティアプローチでは、モノやお金など目に見えるものを所持しているだけでは、その人の可能性が最大化されているとは言えません。それらのものをもって、自分の意志で主体的に、何かを選択できることが、可能性が最大化されている状態であり、「ウェルビーイング」であると経済学者のアマルティア・センは言っています。
このことからわかるように、私とウェルビーイングとの出会いは、自分自身がゼミや米国の小さな大学コミュニティで、他者に自分の可能性を拡げてもらった経緯があったからなのです。そして、自分も誰かの可能性を拡げたい、つまり、ウェルビーイングを願いたいという気持ちが生まれました。現在は、日本で初めて作られた高等教育機関のウェルビーイング学部に所属しながら、自身のウェルビーイング学研究を押し広げることで、日本で開始されて間もないウェルビーイング学に関する議論に、少しでも貢献できればという思いでおります。
学歴
2015年 東京純心女子高校 卒業
2019年 日本女子大学 人間社会学部 教育学科 児童心理学専攻(井上信子ゼミ)卒業
2019年 米国 サルべレジーナ大学 ポジティブ心理学専攻 3年次編入
2022年 英国 ロンドン大学 ロイヤルホロウェイ校 地理学部 研究修士号(文化地理学)取得
2024年 3月 英国 ロンドン大学(UCL) 教育研究所 教科・指導・評価学科 地理教育学専攻 途中退学
2024年 9月‐現在 一般社団法人 ウェルビーイングデザイン 入社
2024年9月‐現在 武蔵野大学 しあわせ研究所 客員研究員