
実践報告5.@明治神宮の森 (2025/05/11)
📍明治神宮の森で実施したDTWのマップはこちらからどうぞ。
ディープタイムウォーク@明治神宮の森 の活動報告です。
15名の参加があり、10名から同意を得てアンケートにご協力いただきました。(掲載許可同意済み)
まず、イベントの参加者層をご紹介したのち、印象的だったエピソードに触れ、最後に、参加者の意識の変化について、「環境意識」、「自然とのつながり」、「自然への畏怖」、そして「幸福感」の観点からご報告します。
■年齢層…40-50代の参加者が多い結果に
過去3回の一般開催のディープタイムウォーク同様、40‐50代の参加者が多く、未だ幅広い年齢層を対象としたDTWの実践への課題が見られます。
■印象的だったエピソード…人類誕生の最後の20㎝(以下、コメント抜粋)
- 人類誕生
- 「死」という概念が初めて生まれた時、永久凍土の状態から生き返るような形で命をつないだ可能性があるというお話など
- 動物の陸上進出
- 最初と最後
- 最終人類が出て来たところ
- 20万年が20センチ、100年が0.1mm
- 酸素大爆発
▶ 環境に適応すべく生物が進化してきたというのは、地球の歴史を知れば知るほど、個人的には毎回感動しています。
■もっと聞いてみたいエピソード
- 全球凍結
- 生物の根源である葉緑体や細胞等が発生した時期について
- 哺乳類誕生
- 恐竜時代
- 星が形成される経緯
- 2,000年の歴史(仏教、宗教の始まり、また産業革命の話)
- いろいろ変化を繰り返していることのわかる範囲の意味合いなど
■改善点
- 次のチェックポイントではどうなるのかを先に言って、それまでにはこんなに時間がかかるということを体験した方がいいかもしれない。歩いている間にもっと思いが出るかもしれない
- 前半歩くだけの部分が長かったので、何かを意識して歩けるとよかったかもしれないと思いました
- 下見をしても当日工事などによるコース変更の可能性があるため、柔軟な対応が必要だと感じた/解説については、ITや技術進化の最中なので、あくまでも現時点での情報という断定しない伝え方をした方が良いと感じた。(実施者のコメント)
▶ 歩行中の注意点として、「何かを意識しながら歩く」というのは、意識させたいポイントが明確な場合、非常に効果的と感じます。例えば、「今あるいのち」に、呼吸に意識を向けることで注目してほしい場合、お天気が良ければ、芝生や森の中に坐して瞑想したり、DTW自体、「歩く瞑想」なのですが、さらに意識できたら素敵に思います。
■参加者の意識の変化
<まとめ> ◉ 幸福度>自然とのつながり>環境意識>自然への畏怖 の順に意識に変化が見られた。 ◉ 何回か実施しているが、やはりWB関連の活動を普段からされている参加者が集まると、DTWは幸福度を高めるのに強力な効果を発揮する。 ◉ 何を意識してほしいのか、どのような感覚を持ち帰ってほしいのかに合わせてプログラムを再デザインすることが可能であるため、今後は瞑想の時間を取り入れるなど、さらなるアップデートの余地がある。 |
1.気候変動や、エコロジー
- 46億年ずっと進化し続けてきてくれた地球を、人間の手で汚してはいけないと考えました。
- これから変化して行くことを実感
- 地球の状態や、各時代を感じながら歩いているとき、GOALの瞬間
- 極端な変化があったのは全て悪いことではなかったと感じました
▶ 環境意識に関しては、総じて、人間中心主義からの脱却や視野の視野の広がりが見られました。
2.自然とのつながりの感覚
- 空気の匂いを感じた時に生きていることを感じた
- 古代からホモサピエンスまで続く命のつながりを改めて認識し、人間の歴史の短さを体感しつつも与えらえた命を大切にしたいと思った。
- 都内にいるのに、落ち着きながら五感をフル活用できました。
- 前日、雨だったせいか、土や草木の香りを感じました。
- 地球も生きものだ、ということを改めて感じた。(解説用に調べている時もDTWで歩いている時も)
- 森はいいなあ
- 変えれない自然とのつながりはあるということ
▶ 自然とのつながりは、五感体験を通じて非常に強く感じられることが報告されました。また、自然とのつながりを感じることで、生かされている感覚、いのちの大切さを再認識させることもDTWは可能とすることが示唆されました。DTWを体験して際立つ、「地球や自然、生命とのつながり」そして「いのちの尊さ」は、地球も生きているという「ガイア理論」を基にしたDTWだからこそ、感じられるのでしょう。
3.自然への畏怖
- 歩いている中でも、自然の中に居させていただいているという感覚が生まれた。
- 抗えないことや流れに身を任せることもあるけど、仲良く共存していきたい。
- 誰が今の世界を想像して作ったのか
- 地球も変化の過程にあるんだと感じた。いつかなくなると
- 嫌気性→好気性への変化や、気候変動、火山噴火などで、生物は絶命を繰り返しているので。また、人類は新参者なのに地球を汚していることに対して、申し訳なく感じた。
▶ 自然への畏怖は、熊野古道での実践で多く報告されたことから、最近のアンケートでは、本項目を追加しています。意識の変化の程度は一概に高いと言えず、様々ですが、詳細な変容に関するコメントでは、「自然の中に居させていただいている感覚」、「人類としての地球への申し訳なさ」など、圧倒される自然の存在を前に、人間中心主義からの脱却するような意識の変容が見られます。
4.幸福度
- 素敵な仲間たちとご一緒できたことで、また心が柔らかくなった
- 日光を浴び自然を体感しながら歩くことで、帰宅後も程よい疲労感と幸福感を感じることができた。
- 世界が平和であれば、自然が悲しまないで住むだろうなと考えられたり、WBU仲間との一体感を感じられたので、幸福感は上がりました。
- 自然の幸せへの貢献度。生かされている感覚
- 森を歩けたこと、知的好奇心が満たされたこと
- 短い命なので、一瞬一瞬を味わって、地球や自然と同調しながら、生きようと思った。
- 些細なことに気に病むことをやめよう
- 今回もみなさんと直接お会いして一緒に楽しむことができたこと
▶ 他者、特に興味を共にする仲間との共通体験が、幸福感に寄与していることが分かります。また、短い命への感謝や日光を浴びて自然を歩いた五感体験が幸福感へ通じることもコメントから見て取れます。何度かDTWを実践していますが、ここまで実践してきて、わかることは、自然や生命、地球とのつながりを媒介した感謝の気持ちが、幸福感を誘発すること。そして、五感が刺激される自然の中を歩く、という行為自体に、幸福感を増大させることがあるということです。この2つがDTWがウェルビーイング実践手法としての意義を支えていると思います。
- 仲間との共通体験が幸福感を高める(社会的つながり)
- 自然や地球とのつながりを媒介にした「感謝の気持ち」と、五感を通した体験が幸福感を誘発する(身体感覚・感性)
明治神宮のわき道からは、素敵な広くて静かな芝生に抜けられる森の道を歩くことができます。まさに森林浴!
ぜひ、記事冒頭のマップを基に、DTWを実践されてみてください。前野隆司先生のVoicyと一緒に!
今後のDTWにもご注目ください。ご感想はコメント欄へどうぞ。