さて、学問とは何か問い直してみましょう。
もう答えが登場してしまっているのですが、「学問」とは、「問い方を学ぶこと」だと思っています。
■なぜ問い方が重要なのか?
学問の本質とは、「既存の知識を単に受け取ること」ではなく、「物事を深く問い直し自ら考えること」だと思っています。問い方を変えれば、見れる景色や得られる答えが変わります。
■問いを学ぶ例
例えば、歴史学では、起きたこと以上に、なぜそのように記述されているのかを問うたり、社会学では、この制度がどの程度機能するかではなく、誰の視点が排除されているのかを問う、さらには哲学では、「正しさとは?」など、問いそのものを問います。
■諸学者の意見
「教育とは、問を生み出すことで、答えを押し付けることではない」By教育哲学者 パウロ・フレイレ
「学ぶとは、よく問う力を養うこと」By哲学者 鷲田清一
「問をつくることこそが哲学である。問いを問うとは、常識や当たり前を疑ってみることだ。」By西研
■背景的思想
学問の本質は問い方を学ぶことであるという思想の背景には大きく4つの思想があると言えます。
1.ソクラテス哲学
→無知の知:問いを通じて無知を知り、対話から学ぶ(問答法)
2.解釈学・現象学(Phenomenology)
→経験の意味を問う(主観性や個々人の解釈がキーワードに)
3.批判的教育学
→学ぶとは、問いを立てる力を育むこと(対話的教育)。つまり、話し合いや経験の中で持った疑問、それをもとに、自動で問いをもつこと。
4.構造主義・ポスト構造主義
→問いの前提そのものを批判的に問う、つまり、当たり前を疑う(例:なぜ学校では先生が話して生徒が静かに聞くのか?)→反抗ではなく、深く考えること。
だんだんと難しいワードが出てきましたが、あらゆるものの背景となる思想を押さえておくと、物事を概観できるのでおススメです。あなたにとっての学問の定義とは何でしょうか?